組織風土とは、「組織が持つ共通の価値観」と定義することができます。社員は規則に明記されていなくても、無意識にその価値観にしたがって考え行動します。「常に業務改善のための工夫をする組織」、「時間や納期にルーズな組織」など、良くも悪しくも組織風土は社員の日々の業務に反映され、そして長年をかけて蓄積・浸透していきます。
組織風土とともに、よく取り上げられるのが「組織文化」という考え方です。通常、この2つの言葉はあまり区別されることなく使用されますが、本質的な意味は大きく異なります。
簡単に言えば、組織風土とは、何もしない状態で勝手にできあがるものであり、組織文化とは、全社員が一丸となって意図的に作り上げていくものです。英語で表記すれば風土(climate)には「天候」という受動的な意味しかありませんが、文化(culture)には「耕す」という能動的な意味があります。特別なことを何もせずに最適な風土が定着すれば一番いいのですが、実際にはそれはほとんど期待できません。活力ある組織作りのためには、成り行きまかせの「風土」に頼るのではなく、組織のトップの意志を持って「文化」を作り上げていく必要があります。そしてその取り組みが成功すれば、好ましい文化は当たり前の風土として定着していきます。
では好ましい組織風土とはどのような状態を指すのでしょうか。それは以下のような条件を備えていることだと考えられます。
■好ましい組織風土の条件
①皆が組織の目標を共有し、組織の目標を達成したいと強く思っている
②組織内のコミュニケーションを大切にしている。他部門とも十分に連携している
③上下関係を気にせず、自由に意見を言うことができる明るい雰囲気がある
④個人の創意工夫、個性が認められ、尊重されている
⑤互いに助け合い、共に成長していきたいと考えている
⑥メンバー各人が自分自身で考えて主体的に問題解決しようとしている
⑦決められた組織のルール、時間や納期が厳しく遵守されている
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